未解決の難問の打開などの行為を表現するために用いられることがあるが、これは比喩(ひゆ)的な用語例であって、本来の意味は、ある国家や民族などの社会集団が他の社会集団を実力によって屈服せしめることである。
国際法上の征服subjugationは、この事実に戦争終結と領域取得という二つの法効果を生じさせる。
すなわち、征服によって戦争は講和条約を要することなく終結し、また敗戦国は国家的存在を失って消滅して、戦勝国の領域に併合される。
1936年のイタリアによるエチオピア征服がこの例である。国際法上の征服が成立するためには、次の二つの要件がある。
第一は、相手国領域に対する実力支配が実効的かつ確定的なことである。たとえ全領域を占領されても、同盟国がなお戦争を継続している場合には、その占領が排除される可能性が残っているから、征服の効果は生じない。
第二に、戦勝国による占領地領有意思の表明が必要である。
(在位前336~前323)ペルシア征服などにより、ギリシア世界はオリエント地域を含めて大きく拡大した。
大王の死後、その領土はマケドニア、エジプト、シリアの3王国に分かれた。
なかで、エジプトを治めたプトレマイオス王朝は経済的にも文化的にももっとも栄えた。
ヘレニズム時代(前4世紀後半~前1世紀後半)の到来である。
その首都アレクサンドリアには、ムセイオンとよばれる大規模な学術研究所が設立され、そこには大図書館をはじめ、動・植物園や天文観測所、不老長寿の薬を研究する一種の化学研究施設や解剖室が設置され、各地から国費で学生、研究者が集められ、主として文学、数学、天文学、医学の研究に従事した。
とくに科学分野の研究では、狭いギリシア社会と違って広大に開かれた世界となったこともあって、一方では、従来のギリシア科学の成果を改良しながら再形成する仕事がなされたが、他方では、理論と実際とが一致するような新しい科学を求める風潮も強まってきた。そうした科学者たちとその研究業績は次のようである。
ユークリッド(エウクレイデス)は先人の数多くの数学的業績を『ストイケイア』Stoicheiaにまとめた。
この著は初等幾何学の入門書としては匹敵するものがないほどの名著であり、その周到な体系化と精確な論理性とは19世紀までその権威を維持した。
ペルゲのアポロニオスは、メナイクモスらの始めた円錐(えんすい)曲線論をさらに一般化し、近代的ともいえる円錐曲線論を展開した。